初心者向け

【初心者向け】ラダー命令「SET/RES」の基本と使い方

fa-engineer

~自己保持よりもスッキリ!視認性を高める制御記述~


🔁 この記事は前回記事の続きです

まだ読んでいない方は、先にこちらをご覧ください👇

💡 自己保持回路の弱点とは?

自己保持回路は非常にわかりやすい一方で、ラダーの行数が増えがちという課題があります。
たとえば以下のような簡単な制御を自己保持で記述すると──

✅ 動作仕様(シンプルな例)

  • 起動ボタンを押す
  • シリンダーが前進端まで動作
  • 前進端で1秒待機
  • その後、シリンダーが後退

🔧 自己保持での記述例

→ シンプルな動作でも全体で8行にもなってしまい、制御が複雑になると全体の見通しが悪くなるのが難点です。

✨ そこで便利なのが「SET/RES」命令!

自己保持で書いた8行のラダーが、SET/RESを使うことで5行まで短縮できます。

→ 画面スクロールも少なく、ラダー全体がすっきり視認性アップ!

🔍 「SET/RES」命令の基本を理解しよう

✅ SET命令とは?

SETは、「一度ONになると、入力がOFFになっても出力を保持する」命令です。

✅ OUT命令との違い

命令動作
OUT入力がONの間だけ出力ON/OFF(連動)
SET一度ONになれば、入力が切れても出力保持

✅ RES命令(リセット)

SETでONにしたデバイスは、RES命令でOFFに戻すことができます。

🚩 出力を並列で記述する場合の注意点

SET/RESのような出力命令を並列に記述する場合は、
【拡張ラダーモード】を有効にする必要があります。

✅ 拡張ラダーモードの設定手順

  1. ツールバー
  2. →「編集」
  3. →「編集モード」
  4. →「拡張ラダーモード」にチェック

📘 命令比較まとめ(一覧表)

命令動作の特徴
OUT入力がONの間だけON、入力が切れるとOFF
SET一度ONになると出力を保持し続ける
RESSETでONにした出力をOFFに戻す

✅ SET/RESはこんなときに便利!

  • 制御工程が多い設備
  • スクロールを減らしたい複雑なラダー
  • 視認性・保守性を重視する現場

SET/RES命令を活用すれば、回路が簡潔でわかりやすくなり、工数削減やトラブル回避にもつながります!


🔄 次回予告

次回は、SET/RESの応用編として
📌 「JMP/STG命令」の使い方と活用例 をわかりやすく解説します!

ラダー制御の効率化をさらに高めたい方は、ぜひチェックしてください!

✅ 最後に:初心者でもすぐ実践できる!

「自己保持」よりも見た目がすっきりするSET/RES命令は、初心者にもおすすめ。
記事内のラダー図を参考に、ぜひ自分のPLCプログラムでも試してみてください!

ABOUT ME
Yu
Yu
設備エンジニア(フリーランス)
生産技術の現場で10年以上の経験を持ち、制御設計を中心に生産設備の開発全般に携わってきました。 特に、産業用ロボットを活用した自動化設備の開発を得意としており、機械・電気・制御の知識を横断的に活かして業務に取り組んでいます。 近年では、PLCと連携したIoTシステムの構築にも注力しており、PythonやSQL Serverなどを活用したデータ収集・可視化・分析の仕組みづくりにも対応しています。 現場のリアルな課題を解決するための実践的なノウハウを発信していきます。
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