紙の設備点検をタブレットで記録|点検の忘れを防ぐ「点検記録」の機能と仕様【デモ動画あり】

紙の設備点検をタブレットで記録。点検が終わるまで起動させない、測定値はその場で自動判定、デモ動画あり
FA-Tech Lab

この記事でわかること

  • 「点検記録」がおすすめの人・現場
  • 紙の点検とくらべた5つのメリット
  • 点検の流れと仕様

はじめに

毎日の設備点検を、今も紙の点検表でつけている工場は多いと思います。

紙の点検表のイラストと「紙の設備点検、このままで大丈夫ですか?」の文字

この記事では、設備稼働監視システム「FA MONITOR」に追加できる機能「点検記録」を紹介します。紙の点検表を、設備の横のタブレットに置き換える機能です。

稼働監視の考え方や仕組みは、前回までの記事で紹介しています。

▶ 設備の稼働率改善が進まない3つの理由|稼働監視・集中監視で変わること

▶ キーエンスPLCで設備稼働監視システムを作る|OEE・チョコ停・ドカ停を自動集計【デモ動画あり】

こんな人・現場におすすめです

紙の点検は、次のような流れが一般的です。

紙の点検の流れ。点検表にチェックを付ける、班長が確認の印鑑を押す、月末にファイルにとじる、棚で保管する、の4つの絵

この流れの中で、次のどれかに当てはまる現場におすすめです。

  • 点検表を毎日集めて回り、ファイルにとじている
  • 品番によって点検する内容が違い、紙を使い分けている
  • 忙しい朝や品番の切り替えで、点検が後回しになることがある
  • 測定した値を、あとでパソコンに打ち直している
  • 監査やお客様からの問い合わせで、過去の点検記録を探すのに時間がかかる
  • 設備稼働監視(FA MONITOR)を入れている、または入れようと考えている

点検記録を入れる5つのメリット

紙の点検とくらべると、次の5つが変わります。

紙の点検とタブレット点検のくらべ。点検の忘れ、見落としと打ち直し、品番ごとの点検表、記録探し、生産記録との関係の5つ

1. 点検の忘れを防ぐ

点検が全部 OK で記録されるまで、設備を起動できないようにします。「点検をしないまま動かしてしまった」がなくなります。

2. 見落としと打ち直しがなくなる

圧力などの測定値は、入力するとすぐに、基準の範囲内かどうかを自動で判定します。外れた値はその場で「NG」と出ます。入力した値はそのまま記録に残るので、あとでパソコンに打ち直す必要はありません。

3. 品番ごとの点検表を使い分けなくてよい

設備のタッチパネルで品番を切り替えると、その品番の点検表がタブレットに自動で出ます。

4. 記録がすぐ見つかる

設備・期間・NG の有無などで絞り込めます。CSV で取り出して、Excel で使うこともできます。

5. 生産の記録とそろう

点検の記録と生産の記録が、FA MONITOR の1か所にそろいます。

点検の流れ

実際の画面で、点検の流れを見てみます。

1. 点検が必要な設備が知らされる

始業前や品番の切り替え、定期点検の時期になると、監視画面に知らせが出ます。点検が終わるまで、その設備は起動できません。

監視画面に「点検が必要な設備があります」の知らせが出ている画面
表示しているのは説明用のデータです

2. タブレットで点検する

点検者の名前を入れ、項目ごとに OK か NG を付けます。測定値は入力するとすぐに判定されます。

タブレットの点検画面。クランプ圧に基準外の値を入れたため NG と表示されている
基準から外れた値は、その場で NG になります(説明用のデータ)

3. 記録すると、設備を起動できる

すべて OK で記録すると「点検完了・起動できます」に変わり、タッチパネルから設備を起動できます。

点検を記録したあと「点検完了・起動できます」と表示された点検画面
表示しているのは説明用のデータです

品番の切り替えと点検表

品番は、設備のタッチパネルで選びます。品番を切り替えると、その品番の点検表がタブレットに出ます。

タッチパネルの品番選択の画面。登録した品番が並んでいる
タッチパネルの品番選択の画面(説明用のデータ)

点検の履歴

点検の結果は、だれが、いつ、どの品番で、どんな値だったかまで残ります。判定の基準も、点検した時点のものが残ります。

点検履歴の画面。NG がある点検だけに絞り込み、明細を表示している
NG がある点検だけに絞り込んだところ(説明用のデータ)

しくみ

タブレットは、工場の中の Wi-Fi でパソコン(FA MONITOR)とつながります。パソコンと設備の PLC は LAN でつながります。インターネットにはつなぎません。

しくみの図。設備のPLC・タッチパネルとパソコンがLANで、設備の横のタブレットとパソコンがWi-Fiでつながり、インターネットにはつながない

仕様

項目内容
点検の入力設備の横のタブレットのブラウザで入力。項目ごとに OK/NG、または測定値(上限・下限で自動判定)
点検のきっかけ始業前・品番の切り替え・定期の3つ(点検表ごとに設定)
起動の禁止点検が全部 OK で記録されるまで、設備を起動できない。点検中は品番も変えられない
品番の登録・選択設備のタッチパネルで選び、登録・変更もできる(50件まで)。パソコンが止まっていても選べる
点検の要らない品番品番ごとに「点検あり/なし」を設定でき、点検なしの品番はそのまま起動できる
通信が切れたとき作業者がタッチパネルの「点検パス」で1回だけ起動できる。その生産には「パス」の印が付いて記録に残る
残る記録点検者・日時・設備・品番・項目ごとの値と判定。判定基準は点検した時点のものを残す
履歴の見方設備・品番・期間・きっかけ・点検者・NG の有無で絞り込み、CSV で取り出せる
点検表の登録CSV で一括登録できる
ネットワーク工場内の LAN と Wi-Fi だけで動く。インターネットにはつながない
対応 PLCキーエンス KV シリーズ(LAN 接続)
前提FA MONITOR(設備稼働監視システム)に追加する機能。単体では使えない
通信が切れたときのタッチパネル。「点検パス」を押して起動し、点検未記録で運転中と表示されている
通信が切れたときは「点検パス」で1回だけ起動できます(説明用のデータ)

デモ動画

紙の点検の困りごとから、タブレットでの点検、品番の切り替え、点検パスまでを約3分の動画にまとめました。

キーエンスの PLC 実機と試験用のタッチパネルをつなぎ、説明用のデータで撮影しています。

よくある質問

点検をすれば、設備は安全になりますか?
いいえ。点検機能は安全装置ではありません。非常停止などの安全のための仕組みの代わりにはなりません。

パソコンとの通信が切れたら、設備は止まったままですか?
いいえ。作業者がタッチパネルの「点検パス」で1回だけ起動できます。その生産には印が付くので、あとから分かります。

タブレットや Wi-Fi は用意してもらえますか?
機器の購入費は別途実費です。点検画面はブラウザで開くので、使うタブレットの機種は事前にご相談ください。

点検の項目は自分たちで変えられますか?
はい。点検表は CSV で登録できます。項目の数や文の長さに決まりはありません。

まとめ

紙の点検点検記録を入れると
点検しないまま動かせてしまう点検が終わるまで起動できない
測定値の打ち直し・見落としその場で自動判定し、そのまま記録
品番ごとに紙を使い分ける品番に合わせて点検表が自動で出る
記録を探すのに時間がかかる画面で絞り込み、CSV で取り出せる

料金の目安とデモ動画は、ポートフォリオのサービス紹介にまとめています。「うちの点検表でも使えるか」といった、まだ構想の段階のご相談でも構いません。

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設備エンジニア(フリーランス)
生産技術の現場で10年以上の経験を持ち、制御設計を中心に生産設備の開発全般に携わってきました。 特に、産業用ロボットを活用した自動化設備の開発を得意としており、機械・電気・制御の知識を横断的に活かして業務に取り組んでいます。 近年では、PLCと連携したIoTシステムの構築にも注力しており、PythonやSQL Serverなどを活用したデータ収集・可視化・分析の仕組みづくりにも対応しています。 現場のリアルな課題を解決するための実践的なノウハウを発信していきます。
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